支部長からのご挨拶
プロジェクトマネジメント学会東北支部は、国内で7番目の支部として設立されました。この設立をもって学会として全国的な支部配置が整ったことは、本学会にとって大きな節目となりました。この新たな門出にあたり、東北地域における当支部の役割と展望について述べさせていただきます。
現在、東北地方は大きな時代の転換点に立っています。私たちは東日本大震災という未曾有の災害に対し、着実な復興を成し遂げてきました。しかし、インフラ整備が進む一方で、震災以前からの課題であった産業構造の変化や都市部への人口流出が加速するなど、地域活性化への取り組みは一層の深化を求められています。さらに、近年のコロナ禍という試練は、東北地方にも深刻な影響をもたらしました。社会構造の変化に伴う課題に対し、他地域に先駆けて直面している東北での取り組みは、将来的に国内他地域が直面する課題解決の「先進事例」となり得るものです。
これらの多様な課題を解決し、持続可能な社会を築くためには、領域横断的なアプローチが不可欠です。新たなアイデアが社会に実装される際、その取り組みは「プロジェクト」という形態を採ります。そこで重要となるのがプロジェクトマネジメントです。目的を明確化して最適な組織を編成し、限られた人的・物的リソースをいかに効率的に配分するか。また、不確実性の高い状況下で適正なスケジュール管理をいかに完遂するか。これらの理論と実践を深めることは、単なる業務効率化に留まらず、生産性や頑健性の向上を通じて、安全・安心な社会の確立に寄与するものと確信しています。
私たち東北支部は、プロジェクトマネジメントの観点から企業や社会の課題解決に貢献することを目指します。そのために、当支部は多様なステークホルダーを結ぶ「ハブ」として機能してまいります。それは実務家と研究者が組織や分野の垣根を越えて交流し知識と経験が共有される場です。その基盤の上に、新たなイノベーションが創発されると期待しております。
| プロジェクトマネジメント学会 東北支部 支部長 |
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東北大学 鈴木 賢一 |